リストカットによって出来てしまった傷跡がいつまでも消えずに残ってしまい、何とかしたいと悩んでいる方もいるでしょう。
長袖の時期は自然に隠すことができますが、それでもふとした隙に袖口からのぞいてしまう、ということもあります。
また、真夏の暑いさかりに、長袖を着たままでいるのは気が引けてしまうものです。
過去は過去として、新しい気持ちで毎日を過ごしていくためにも、傷跡は綺麗に消しておきましょう。
傷跡を消す方法は?
傷跡を消す方法にはいくつかあり、まずもっとも手軽なのは、塗り薬によるケアです。
市販のお薬には、傷跡を薄くするための 製品があり、これをこまめに塗ることで、いくらか跡が薄くなるという話もあります。
ただ、それほど強い効果を持つものではなく、薄くなるまでには長い期間が必要です。
この方法のメリットは、費用がとても安くすむこと、そして自分自身でケアできるという点にあります。
また、これらの薬は、ごく浅い傷によってできた跡に効果的とされており、深い傷や白く変色した部位には効かないといわれています。
ごく浅い傷の跡を消したい場合、そして長期間かかっても良いという場合には、この方法でも良いかもしれません。
深い傷はクリニックで治療をしましょう
より深い傷によってできた跡を綺麗に消すのであれば、やはりクリニックで治療を受ける必要があるでしょう。
クリニックで可能な傷跡修正の方法には手術とレーザー治療の2種類があり、それぞれにメリットが異なっています。
跡を完全に消し去る、という意味では手術が効果的ですが、この方法にはデメリットもあります。
手術の場合、跡が残っている部分の皮膚を切除して、その後縫合するという措置が行われます。
リストカットの跡がある部分の皮膚は切除されますから、完全に消えてくれる、というわけです。
しかし、手術によって皮膚を切開するため、縫合跡がどうしても残ってしまう、という難点があるのです。
縫合跡は肘側から手首までの一本線となりますから、「リストカットをしたことがある」と思われることはなくなります。
もし人に尋ねられても、事故や何らかの理由で手術を受けた、という風に説明することができるでしょう。
ただ、この手術による縫合跡はずっと残ってしまいますから、「綺麗に治せる」という方法ではないといえます。
レーザー治療のメカニズムは?
クリニックのもう一つの方法、レーザー治療は、皮膚の再生を助けるレーザー光によって、リストカットの跡を薄くするというものです。
この方法のメリットは、手術と違って体に負担がかからない、皮膚を切開することがないという点にあります。
レーザーで皮膚が再生する仕組みは、肌内部のコラーゲン生成機能と関わっています。
レーザーの光は表皮を通過し、肌のおくまで届くため、内部からターンオーバーを促すことができるのです。
レーザーは真皮に到達し、肌内部の細胞にごく僅かなダメージを与えます。
基本的にこのダメージは非常に小さいものであり、照射中に痛みを感じる、というほどのものではありませんが、これを受けた肌細胞は収縮した状態になります。
その結果、自己治癒力が働き出し、肌を作る成分であるコラーゲンの生成が活発になるのです。
レーザーによる治療は、一回ですぐに綺麗になる、というものではありません。
クリニックやリストカットの範囲などにもよりますが、1ヶ月に一回の照射を、5回ほど行う必要があるとされています。
また、あくまでも皮膚の再生を促すものであり、「完全に跡がなくなる」というものではないでしょう。
しかし、傷の深さや状態によっては、かなり綺麗に治ることもあり、体への負担の小ささと効果の高さを考えると、もっとも良い方法なのかもしれません。
また、レーザー治療のメリットとして、広範囲にわたるリストカット跡にも、適用しやすいという点があります。
切除手術の場合、一定以上の範囲を超えてしまうと、皮膚の切除が難しくなります。
レーザーの場合は、範囲の広さに関わらず、治療を受けることができるでしょう。
そのため、刺青の消去をしたい場合などにも、レーザー治療を選択する方が多いといわれています。
レーザー治療は利点の多い方法ですが、傷が奥深い場合などには、効果が出にくいといわれています。
また、複数回施術を受ける必要がありますから、その都度費用がかかるという面もあります。
しかし、効果と費用、そして体への負担などを総合的に考えると、メリット面の方が大きいといえそうです。
傷跡が気になり気持ちが塞いでしまう、積極的になれないなどの悩みを抱えているのであれば、こうした方法を試してみるのも良いかもしれません。
また、最近では「ファンデーションテープ」という、肌色をしたごく薄いテープが販売されています。
ウォータープルーフで水や汗でもはがれにくくなっており、目立つ傷や刺青隠しにも、有効だとして、多くの人が利用しています。
すぐに目立たなくしたい場合は、一時的にファンデーションテープを使って、見えないように隠すというのも一つの手でしょう。
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